2015年9月25日

またかいな

ペット検査の結果、他の臓器に異常なし。晴れて放射線治療せず、経過を見ると思ったら大腸に癌がありまっせ、とのこと。

はあ、で?、と聞くと、「こらあ、手術でんな、内視鏡ではあきまへんな」「どない?」「まずは検査でんな 、後は外科の先生ですわ」と言うことでまた検査。今度 も絶食して尻からカメラを入れてぐちゃぐちゃするらしい。「またかいな」「はい、それでどこまで切るか、ぎょうさん切ったら人工肛門ですわ」「全身麻酔でっか?」「はいな」「またかいな、外泊して仕事でき まっか?」「分りまへん」「仕事行かんと金おまへんで」「またかいな」「後は放射線でっか、抗ガン剤でっか」「分りまへん」とのこと。

まあ、なったもんはしゃあない。「最近、テレビ見てもガン流行ってんなあ」と言うと妻がすかさず「アホ、あの人らは芸能人、タレントさん、あんたは芸人、あんた、まさか自分を芸能人やと思てるのんか?一人来てなんぼ、ギャラや無くて割り。板の上でなんかやるん人が芸人、テレビ出る人芸能人、タレント、分かってるか?あんたには能無いねん、」

説教されているとお医者さん「またかいな」妻が「アホかいな」

と言うことで、近いうちにまた入院予定です。12月なら暇なんですが、年越しの金も稼がんと妻にしばかれるし。

入院中はべっぴんの看護師さんおるし、洗濯物も畳まんでええし、洗い物もせんでええし、酒もタバコもやめられるし、結構楽しいねんけどね😃

ただ、人工肛門はつらいなあ、浮気しにくいし、点滴は肩こるし、飯は美味しいけど少ないし、ネタは繰れるけど金くれへんし、と言うてほったらかしといたら死ぬし。

まあ、何とかなるでしょう。今日から入院まで思い切り飯とお菓子食べてやる。

時々入院したら、ダイエットできるなあ。

と、妻が「アホかいな、 儲けて来い」私が「またかいな」

2015年9月19日

コンビニ

たまにコンビニで買い物をする。前は何を買っても入店ポイントが付いたので、タバコなどセコく買っていたが最近はそれも無くなり、タバコはもともとポイントが付かないので、近所の商店で買っている。徒歩30秒、カードは無いので顔見知りのおばちゃんの対面販売。と言っても最近あんまり吸わないので週に一箱くらい。それでも何回かに1回は使い捨てライターをくれる。コンビニのポイントよりありがたい。

入院中、病院の売店はファミマだったので、雑誌やらお菓子やら買ってポイントを貰っていたが先日、久し振りにコンビニに行き、新幹線で食べるおにぎり、缶コーヒーなど買おうとしたが、前の方で中学生らしき男の子がおでんを4個、アイスクリーム、お菓子、雑誌やらを買い、それぞれ別の袋に入れてもらい、生意気にも1万円冊と小銭を1円単位で探し始め、結局小銭は足りず、1万円でお釣りを貰い、今度はポイントカードを探すのに手間取り、うちのオババ状態。

電車の時間は迫り、明らかに私の前のおじさんも苛立っている。やっとおじさん、ビールとタバコとスルメ、同じ新幹線に乗るみたい。コンビニの兄ちゃん、当たり前のように、成人確認ボタンにタッチお願いしまあす、である。と、おじさん、あんた押しといて。お兄さん、ご本人でお願いしまあす。おじさん、ほな、いらんわ、と商品をレジに置いて改札に走った。私もこら、ほんまに乗り遅れると、わしもいらんわと商品をレジに置いて改札に走った。何とか間に合ったが、あの商品はどうなったんだろう?

この場合、空気を読めん子供を育てた親をののしるべきなのか、兄ちゃんを責めるべきなのか、コンビニの親会社にしょうも無いシステムを作るなと文句を言うべきなのか、迷ってしまう。あの時コンビニの兄ちゃんは、スンマセン、僕、未成年なので押せませんと言えば、違う展開になっていたと思う。

それよりも、レジを1000円以下とか20才以上専用とか、チンする人専用とか、時間と手間かける人専用とかにすれば良いのである。とぼやくと、友達曰わく、レジは何個あっても行列を一つにすれば良い、と言われた。なるほど。納得したが成人タッチはいらんわ。

そう言えば、ミラーに顔を映して成人確認をして、タバコを買える自販機がある。かつて47才の私が買えず、18才の息子が買えたことがある。自販機にあほかーと叫んでしまった。

2015年9月14日

タバコ

入院のおかげもあり、その前から減っていて1日15本位が7、8本、手術前後は0本。今日は朝起きて今までで3本。

それは私の事情。入院中、採血が朝5時なので、あとは眠れなく、仕方なく病院の廻りを散歩するとそこら中吸い殻だらけ。ワンカップやビールの空き缶。お金が落ちとればいいのだがそれは無い。

隠れ酒、隠れタバコ、やれないことは無いが、病院内はもちろん、近所にも売っていない。自動販売機はあるがカードが無い。歩いて10分ほどに駅やコンビニはあるがパジャマ姿に点滴しながら買いに行く根性は無い。タバコも酒も採血ですぐばれる。にもかかわらず、向かいのベッドのおじさんは夜な夜なバス停のベンチに座り、パジャマ、点滴でワンカップ、タバコを吸いながら携帯で、あんパン食べても味せえへんねんと、しゃべっている。毎日放射線治療している。説明書通り喉は焼けて味覚が無くなっているようだ。なら酒もタバコも味せえへんだろうと思うのだが。

それよりも近所から苦情は無いのだろうか?優しい街なねだろうか?いや違う。私の通っていた高校の地元である。同級生はそこら中にうじゃうじゃいる。神戸のど真ん中、あなた、私、僕、の語彙は無い。わて、うち、われ、である。何するんですか?は、おんどれ何しよんどい、となる。

それよりも、禁煙外来のある病院は敷地内禁煙にしなければならないらしい。初めて知った。賢くなった。

始めは何じゃ、ここの患者みんな髭生やしとる、流行ってんのかいな?と思っていたが、違うのである。私のいたフロアはほとんどが喉やら耳やら鼻やらを手術しているのだ。髭は剃れない。また賢くなった。さすが大学病院だ。

ある日、採血の血が漏れて、シーツが汚れてしまった。泣きそうになりながら謝る20代前半の、えくぼの可愛い看護師、うりざねの横顔から伸びるうなじは細く、その先の大きくも小さくもないバストは恐らく形も良いのだろう。10年前の上戸彩を彷彿させる。聞けば彼氏はいない。私はこぼれた血で090と寝たままシーツに書き、続き、教えてと頼んだら、ダメです、動かないでと言われ、090は消されてしまった。病室では血文字はあかんらしい。また賢くなった。さすが大学病院だ。

2015年9月10日

腹、減った

退院が延びて金曜日になりそう。土曜日は落語協会の仕事で和歌山なので、午前中に帰宅して入院中の洗濯物を放り出し、代わりに衣装を放り込み、風呂へ行きたまった髭を剃り、リハビリ。病院食で3キロ痩せたのを取り戻す為、王将、吉野家をはしご、家に帰ってたこ焼き、お好み焼きを食べ、アイスクリーム、プリン、あられ、ゴーフル、ひよこ饅頭、東京バナナをデザートに早く寝て明くる朝、早起きして和歌山。帰りにはウツボの骨の唐揚げを買い、来週は横浜。シューマイ、豚まん、大量に買い込み、車内販売でうなぎパイ、味噌カツ弁当を食べ、5キロ肥える予定。

そのあと、また検査。今度は造影剤みたいなモノを体にぶち込み癌がどこにあってどこに放射線を浴びせるかを決めるらしい。私の場合、ほぼ80%首から上にあるらしい。ほんなら顔癌でっかと尋ねると、そんな癌は無い、と言われた。聞きとれたのは、リンパ、上皮、転移の3つだけ。どうやらコブと筋肉とリンパを摘出し、そのうちの7ヶ所の組織を検査したら1ヶ所から癌が見つかったらしい。

で、9月25日から放射線治療。30日もやるらしい。土日、祝日は休みなので11月半ばまで。喉は火傷し、唾液が出にくくなり、味覚が無くなるらしい。その合間を縫って仕事に行くと言うと無茶苦茶しんどいでっせと言われた。

ただこれは、やってもやらんでも存命率はえらい変わらんらしく、来週の検査結果を見てからにしまひょか、となった。放射線は後半がしんどいらしく、仕事が立て込んでる日を考えて開始日をずらすことも出来るらしい。

仕事はもちろん大事だが、食欲の秋も捨てがたい。まあ、さ来週の結果待ち。

おかげで二週間の入院中、ヒマなので落語のCD30枚、小唄一枚、完聴、電池8個消費、おやつ中国買い、ネタ繰り約30、うち新ネタ二つ。

今から昼飯、シャワー、おやつにえびせんとサラダせんべい、退院の用意、夕食、テレビ見ながらリハビリしながらポッブコーン食べながらネタ繰り、そのあとシュークリーム食べてチョコレート食べてイカせんべい食べて歯を磨いて屁をこいて寝ながらアザラシが腕立てをしているのをキャンディーズが年下の男の子を歌いながら応援している夢を見ながら眠りにつく予定。

2015年9月5日

初めて

初めての手術、初めての入院。ことの発端は5月2日の夜、久し振りに髭を剃っていると右耳の下に何やらコブみたいな物体を発見。翌日は春祭の宵宮。地元民のみならず、東京やら外国やら、世界中からだんじりを曳きに、見物に、触りにゾロゾロと50万人ほどが集まって来る。私の後輩で和歌山で耳鼻科医を開業しているN氏もその一人。初日は事故も無く無事終了。明日への鋭気を養いながら、N氏を見れば酔っぱらいながら、酔っぱらいの診察をしている。

私は10円玉を握りしめ、おおN君、診察代持って来た、これ、何や、と喉を突き出した。N君はさすが医者、コブでんがな、イボちゃいまっせ、医者行きなはれ、ほっといたら大きいなりまっせ。である。

大きなったら瘤弁慶出来るがなと言うと、それしか出来まへんで、と言われた。さすが医者である。あっ、それと悪性やったらほっといたら死にまっせ、アホか?悪声はもともとじゃ、と返事をしてから3ヶ月。

まずは地元の病院、MRIで9000円ほど、よう分からんと別の病院でレモン汁飲んで喉の検査で1万円ほど、交通費480円、レモン130円ほど。やっぱり悪性やら良性やら分からん、大学病院でまた検査、1万円ほど。結果は切ってみんと分からん。ほんなら初めから切れよ。切る為にレントゲン、胃カメラ、血液検査、で手術。まだ退院してないので何ぼか分からん。検査結果も出てないので、もうしばらくは入院。

全身麻酔はすごい。何とか意識を失うまいと息を止めると怒られた。窒息寸前で息を吸い込むと、3時間後に目覚めた時には手術は終わり、そこら中が管でつながり、酸素マスクを付けられ、病室に運ばれていた。コブとリンパと神経取りましたあ、ほんならと、お医者さんは帰られた。今日は水も飲んだら飽きまへんでと、笑顔で言い残しながら。

家族も帰った。腹ペコである。前の夜制限時間ギリギリの9時までめしを食い、ポテチとえびせんとアイスクリーム、ういろう、羊羹を食べ、牛乳も飲んだのに、腹ペコ、喉が乾いて死にそうである。熊のように食い溜めして冬眠ならぬ夏眠をしてみたい。

それから連日点滴、検査。昨日やっと抜糸、今日10日ぶりのシャワー。タオル真っ黒けになったが震災の時の久し振りの風呂の時のタオルよりましだった。

ここの病院、義父が入院していたので知っているが食事は美味しい。ただ塩分控えめで量が少ない。特におかずが少ない。だから私のように食事制限の無い者はめしを大盛にしてもらい、ふりかけ、ちりめんじゃこなどは不可欠である。夜7時に夕食が終わると次の日の朝8時まで何も無いのでせんべい、おかき、芋ケンピ、チョコレート、かりんとう、ポッブコーン、柿の種なども必需品である。

そして、看護師さんが例外なく優しくて可愛い。愛想もいい。アホみたいなギャグに笑ってくれる。再婚するなら絶対、彼女たちだ。夏の朝に食べるさわやかな漬け物のようだ。ああ、ナースが最高。

で、いつ退院出来るんだろう?